渡利かきの歴史は三重県下でも古く、昭和2年から筏式養殖が始まりましたが、周囲数キロの限られた汽水域` 白石湖にて養殖している為、漁場が狭く生産量が少なく、ほとんどが地元で消費され、他所に出荷させることがありませんでした。流通量が少なく、手に入れにくいことから「幻の牡蠣」とも呼ばれています。
渡利かきは、汽水域である白石湖という特殊な環境の産物です。
一度大雨が降ると、船津川・銚子川より大量の雨水が流れ込み、水深4〜5mまで真水となります。真水が海水に入れ変わるまでの1〜2週間程掛かります。そんな外海では考えられない厳しい環境で生きていくために、渡利かきは、グリコーゲンや旨味成分などを蓄える性質を持っています。
渡利かきが熟してくると黄色っぽくなるのは、グリコーゲンが多いからです。汽水で育つ為、牡蠣独特のクセが少なく、牡蠣の苦手な方やお子様でも食べられるまろやかで上品な味です。